熊本土産のからし蓮根など、素材にこだわった郷土の味を販売しています。
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地の味と河とともに栄え、

〆蒲・からし蓮根・イメージ

熊本の味をつくる赤酒。例えば煮物の場合、出汁と醤油に赤酒を加えると味がまとまります。家庭でも料理店でも欠かせない味です。正月にはお屠蘇として飲むのも熊本ならではの風景です。

あおあおと澄みきった空の色、地面に伸びる長い影。影の輪郭がやわらかく落ちる太陽に、本格的な冬の訪れを感じます。かつて熊本を代表する港町として栄えた、商人・職人の町。鎌倉幕府時代に、河尻三郎源実明がこの地に館を築いたのが始まりとされ、加藤清正の治水事業で港町として発展した川尻町(熊本市南区)が今回の舞台です。メインストリートから加勢川に沿う小道に1歩入ると色濃く残る、歴史の面影。風情ある船着き場跡に腰を下ろせば、往時に思いを馳せることができます。時折吹く涼風に背中を押されながら、ゆっくり、じっくり。歴史香る町をめぐってきました。

帰ってきたくなるふるさとへ
よい風景をつくるということ

瑞鷹本社屋前の通り

風情ある街並みに溶け込むように建つのは「瑞鷹本蔵」。1867(慶応3)年創業の酒蔵です。古くから川尻で銘酒を造り続けてきた「瑞鷹」は、町の心意気を今に伝える“文化”のひとつ。

瑞鷹本社屋前の通り

 甘くとろりとした口あたりと、茶褐色の色味が特徴。「赤酒がないとあたらしい年が始まらない」と言われるほど、正月の定番となっている酒が赤酒です。そんな赤酒を古くから継承し続けてきた蔵元が「瑞鷹」。いまも昔も川尻のランドマーク的存在ですが、熊本地震で甚大な被害を受け、復旧から復興へと歩みを続けている最中です。蔵内をのぞくと、お屠蘇用に出される赤酒の出荷準備でいつも以上に活気に満ちている様子を目にし、うれしくなりました。

瑞鷹の醸造室

杜氏の岩根豊生さんは酒造りに携わって48年目。

瑞鷹の醸造室

瑞鷹の醸造室

赤酒の出荷準備で大忙し!

   「ふくとく」のもっちりふわふわとしたちくわには、この赤酒が使われています。「赤酒を使った練りものは 足が低下しない(=食感が落ちない)といわれます」と吉村圭四郎副社長。特にいま料理用の赤酒は、全国の料理人がこぞって指名するほど評判の調味料になっているそうです。
  そんなお話を聞いている最中に、ふらりと立ち寄られたのが村田幸博さん。実はこの村田さん、「川尻を語らせたら右に出る者はいない」という地域おこしの中心的存在と聞き、急遽今回の「ふくたび」の案内人をしていただくことに。軽快に川べりを歩き、出会う人、出会う人と次々に挨拶を交わし、のれんをくぐるとみんなが笑顔になる…村田さん、ただものではありません!

村田幸博さん

川尻を語らせれば右に出る者なし! 名物案内人・村田幸博さん。

嘉瀬川にかかるオレンジの鉄橋

嘉瀬川にかかるオレンジの鉄橋

遠くに見える鉄橋のオレンジとまぶしい青空とのコントラストが美しい。港町として栄えた歴史を伝える名所に、国指定史跡でもある御船手渡し場跡、外城蔵跡、船着き場跡があります。

「楠元建設」を営む楠元繁芳さん・遥さん

川尻地区の設計事務所・工務店・建具店などで構成され、自然の住まいづくりを目指す「「川尻六工匠」という職人のグループがあります。そのなかのひとつ「楠元建設」を営む楠元繁芳さん・遥さん父娘。

片岡製作所の職人、水谷日出喜さん

手作りで木の風呂桶の製造・販売を行う「片岡製作所」の職人、水谷日出喜さん。青森ヒバの風呂桶を見せていただきました。

ライトアップ

村田さんら有志によって整備された場所。夜はライトアップされます。

帰ってきたくなるふるさとへ
よい風景をつくるということ

 「ふるさとの町を歩けば感じるにおい、色、風がある。本能的に帰ってきたくなる風景をつくることが大事」と村田さん。いい人材をふるさとに戻す回帰運動をすすめ、地域の未来のためにいいものをいいかたちで残すことが大切だと話します。加勢川にはいまも 20種以上の水鳥が生息すること。「六工匠」や「六菓匠」と呼ばれる職人グループが切磋琢磨し伝統工芸を継承していること、フジバカマの花を咲かせ、旅する蝶々アサギマダラ≠町全体で歓迎していること。村田さんの案内で川尻を歩くと、旧くて新しいこの町のいまが鮮明に浮かび上がってきます。

和菓子六菓匠の内の一つ
		、梅園の生菓子

和菓子六菓匠の内の一つ
		、梅園の生菓子

和菓子づくりの技術や伝統文化の良さを継承していくために、6軒の老舗が手を結びあって誕生したのが「開懐世利六菓匠(かわせりろっかしょう)」。写真は「梅園」の生菓子。

七代目 若松屋

「七代目 若松屋」の蒲焼御膳

安政年間創業の「七代目 若松屋」の蒲焼御膳。伝統の調理法で仕上げるこだわりの鰻は、肉厚の身がとろりとやわらかく美味! これを目的に川尻に来たいほど。

 旅の最後に、加勢川開発研究会の会長であり、中無田閘門(こうもん)の操作人である井村紘さんを訪ねました。熊本のミニパナマといわれる貴重な川の遺産。水守でもある井村さんはこの価値を広めることで、地域と世代をつなぐ活動をしています。やさしい景色、おだやかな時間に心も凪いで。すっかりのんびりしてしまいました。

中無田閘門(こうもん)

中無田閘門(こうもん)

昭和17年に作られた中無田閘門。加勢川側のゲートと緑川側のゲートを開閉することによって、中央部の閘室の水位を調整しています。木製で違う川を通過できる閘門は全国でここのみ。現在は船やカヌーに乗って楽しめる場所に。

中無田閘門(こうもん)

中無田閘門(こうもん)

中無田閘門の操作人・井村紘さん

  目の前に広がる自然だけが風景ではないこと。建物や、店や、人々の営みも含めた暮らしのすべてがよい風景をつくることを改めて教えてもらった旅になりました。

取材・写真・文 福永あずさ

 

九州地図

川尻町までのアクセス

□ 車でお越しの場合
熊本市中心部より車で約20分

□ バスでお越しの場合
熊本桜町バスターミナルから
松橋産交行に乗り 約30分

□ JRでお越しの場合
JR熊本駅(JR九州)からJR三角線に乗り換え、
川尻駅下車 約10分

□ 飛行機でお越しの場合
阿蘇くまもと空港からバスで大津駅へ
JR大津駅からJR熊本駅まで
JR三角線に乗り換え、川尻駅下車 約1時間半

川尻駅の夕景

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